月と私 Ⅱ
お月さまはまだ雲に隠れたまんま、
夜空の星たちは私をさすような目線でみてきます。
灰色の雲が空一面にある時、お月さまと星たちは楽しくおしゃべり。
私はさみしい気がします。
雲は口を固くして、なにもいいません。
そんな虚空を見上げているほうが少しは気が楽になります。
夜空を見上げると心が痛くてつらくて、
そんな世界から逃げ出してしまいそうです。
でも・・・
夜が明けると、朝が来ます。
お日さまは私をやさしくつつみこんでくれます。
今なら少しだけやさしい光を見ることができます。
眩しくて、見ることのできなかったあの光を・・・
そのとたん、かなしみがこみあげてきます。
自分のうしろめたさや後悔が
身にしみて感じます。
そしてまた夜が
今度は新月でお月さまはいませんでしたが、
「こんばんわ」
と声をかけたら、
小さい声で
「こんばんわ・・・」
と聞こえたのでした。
私は、
雲がほんの少しだけうすくなっていったようにも
感じました・・・。