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南 総太郎
南 総太郎
novelistID. 32770
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『偽りの南十字星』 10

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『偽りの南十字星』 10

数時間後、ホテルに待機する永田の部屋の電話が鳴った。
ゴーサインの報せだった。(当時未だ携帯電話はなかった)
藍川常務の説得で、社長もこの際止む得なしと折れた由。

早速、永田は陳の事務所に電話をした。
生憎不在だったが、秘書に契約する旨伝言を頼んだ。

永田は玉井を部屋に呼び、今後の予定を相談し始めた。

従来は缶詰製品になったものを扱うだけだったが、これからは
自分達の手で製品を造らねばならない。
となると、原料パインの買い付けが困難の場合は、先ず農園
の準備、パインの品種選定、植付け、収穫を経て、缶詰製造
ということになろう。
農園には当然農業技術者が必要だろう。
どこかで捜して来なければならない。
缶詰製造設備一式の手配も必要。
その技術者も当然必要。
空缶はどうするか。日本から運ぶのか。
空気を運ぶに近いのでは。それとも、製缶設備まで揃えるのか。
農園や工場で働く従業員も募集せねばならない。

兎も角、先ずは、候補地捜しであろう。

陳が有能だからと言って、総てオンブニダッコと言うわけには行くまい。
自分達でも、候補地位捜さなければと考えた。

結局、二人の結論ではタイかインドネシアになった。
距離的には、インドネシアが近いが、インドネシアは広い。
どの島にするかによっては、時間的にタイより遠くなる場合もあろう。

先ずは、スマトラ島を調査することで、陳の意見を聞くことにした。

ところで、スマトラの場合、製品の積出港は何処になるかと調べると、
メダン港だと判った。
しかも、メダンからは欧米への直行の船便が無いことも知った。
一旦シンガポールへ持って来て、積み替えねばならない。
余分な費用が発生する。

色々問題がありそうだな、と二人は顔を見合わせるのだった。


                          続