少女機械人形コーパス 第二幕
佐路
「美希さん、コーパスの方はよろしいんですの?」
花立
「3日間のお休み貰ったのよー。」
佐路
「貴重なお休みでしたのね…ごめんなさい。」
花立
「んー?」
佐路
「せっかくのお休みなのに、わたくしの看病を…。」
花立
「なぁに言ってんのよ!私は暇で暇でしょーがなくてここに来ただけなんだから。」
佐路
「そうなんですの?」
花立
「そうなんですのー。」
佐路
「まっ、真似なさらないで下さいまし!」
花立
「あはは!もー可愛いなー、のぞみんはー。」
佐路
「あなたという方は…。そ、それでデーケルターレ?でしたっけ。乗りこなせるようにはなったのですか?」
花立
「ん、もーバッチシ。」
佐路
「そうですの…。」
花立
「まだ実戦した事はないから、地上ではどんな感じになるかは分かんないんだけどね。」
佐路
「そんなっ!そんな危ない…。」
花立
「大丈夫大丈夫!私ってば天才パイロット〜なーんて呼ばれちゃったりしてるのよ!」
佐路
「天才…?あなたが?」
花立
「コラコラコラ!なんなのよ、その疑いの目はっ。」
佐路
「だって…あなたがそんな風には見えませんものっ。」
花立
「能ある美女は本性隠すってやつよ!」
佐路
「??聞いたことありませんわね。」
花立
「んー、のぞみんにはまだちょーっと早かったかナ?」
佐路
「そ、そんな事ありませんわ!能ある美女は本性隠す!有名なことわざですわ!今、そう今思い出しましたっ!」
花立
「くっくっく。のぞみんって、本当に可愛いよね。」
佐路
「からかわないで下さいまし。」
花立
「ふふっ。でも良かった。熱も下がったみたいだし顔色も随分良くなってきたし、この分なら回復するのも時間の問題かな。」
佐路
「…はい。」
花立
「ん?何?寂しいの?」
佐路
「なっ。」
花立
「元気になったら私が帰っちゃう〜って思って、今一瞬寂しかったでしょ〜?」
佐路
「そっ、そんな事ありませんわ!」
花立
「ホントに〜?」
佐路
「当たり前ですわ!あなたなんかいなくても全然…!」
花立
「………。」
佐路
「全然…平気…ですけれど…ほんの少しは…そんな事ありますの…。」
花立
「にゃっにゃっにゃっ〜♪愛いやつじゃのぉ〜〜。」
佐路
「ほっ、ほんの少しですわよ!」
花立
「うんっ。
じゃあ…私がお休みの間、一緒に過ごしてもいいかな?」
佐路
「え…いいんですの?」
花立
「もっちろん!むしろこっちからヨロシクお願いしまーす。」
佐路
「…あ、はい。」
花立
「良かった〜。私、お休みもらったはいいけど、行くとこなんかなくって。」
佐路
「え?」
花立
「Cエリアに知り合いなんて言っても限られてるし。」
佐路
「でも、あなたなら…。」
花立
「私?私って孤高の天才タイプだから〜。あはは。」
佐路
「ぷっ。くすくす。」
花立
「…ホントに天才タイプなんだってば。」
佐路
「そうですの、ふふっ。」
花立
「あー、信じてないなぁー。もー。」
佐路
「信じますわ。」
花立
「もーいーわよ。」
佐路
「でも…それならどうして、こっちで休日を過ごすと決めたんですの?」
花立
「ん…。なーんか、あそこ嫌いなのよ。」
佐路
「嫌い…?コーパスが?」
花立
「贅沢なんか言ってらんないんだけどね。」
佐路
「そう…ですの。」
花立
「ん…。」
花立
(どーも胡散臭いのよね、あの組織。まっ、政府なんてそんなもんなんだろうけど。)
花立
「あ、そーだ。じゃあさ、どーせなら一緒に映画でも見ようよ!」
佐路
「映画?」
花立
「うん、私20世紀のフィルムとか持ってんだー♪『燃えよドラゴン』とか面白いよー。」
佐路
「燃えよドラゴン?」
花立
「こーさー、ブルース・リーがさー、ガってやってギュンってなってさー、んでちょっと悲しそうな顔するワケ!ガッギュンッキューン!」
佐路
「くすくす。」
花立
「んっとー、ここのモニターでも…うん、チャンネル合わせれば見れる!じゃ、ちょっと色々持ってくるよー。」
佐路
「はい、お待ちしてます。」
花立
「んー、じゃちょっと待っててねー。」
ウィィィン<SE>
佐路
「賑やかな人。」
サンディ
「ばう!」
佐路
「うん、サンディ。楽しいね。」
サンディ
「ばーう。」
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文