少女機械人形コーパス 第二幕
同日
午前03時04分
コーパス 作戦本部
土方
「ジョエルくん、聞こえる?」
ジョエル
『はい…。』
土方
「久しぶりのデーケルターレだけど…動かせるわね?」
ジョエル
『はい…。』
野柳
「コアの方も準備が整ったようだよ。」
土方
「……。」
オペレーター
「システムシステムオールクリア。異常なし。デーケルターレ発進準備完了!」
池峰
「デーケルターレ発進!」
<スチル・ケージから地上へ昇るデーケルターレ
SE昇降音>
キュイィィィィィィィィィィン
<背景荒れ果てた地上・デーケルターレ直立>
ドゥッン
<SEデーケルターレ着地音>
ジョエル
「っく。」
3か月ぶりに見た地上は相変わらずの有り様であった。
目の前には真っ白な巨人が立っている。最も、その皮膚は溶解しており、かろうじて人型というだけの生物ではあったが。
ジョエル
「ヴィロネカート…。」
巳上主任の顔が浮かぶ。あの日あの人の為だけに必死にこの機体を操った。けれど今は…。
<そう…こういう事だったのね。>
ジョエル
「…誰?」
花立
<あんたと同じパイロットだった女よ。>
ジョエル
「え?」
花立
<全部…全部分かったわ。>
ジョエル
「何なんだ…この声…何…。」
花立
<へぇ…あなたが例の総司令の息子ってわけね。
精神を病んでいるって言う噂は本当だったの…。だから面識も無いのに、こんなにも干渉しやすんだわ。>
ジョエル
「君は…何を…?」
花立
<コーパス…絶対に…許さないから……!>
溶解し、白い細胞の水たまりを作りながら、ヴィロネカートは一歩…また一歩とデーケルターレに近づいて来る。
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文