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夏風吹いて秋風の晴れ

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「いいですね、あったかなぁー そんなお店って、ステファンさん、おいしいところでも知ってるんですか?」
「駅前にありますのや、うまいでっせぇー」
「じゃぁ、のんびり歩いていきましょうか」
「そやな、あんさんも鰻でいいやろ、若いもんには贅沢か、まぁいいか・・」
笑いながらのステファンさんに聞かれていた。
「ステファンさんにお任せしますよ」
「ほな、いきまひょ、今ならお昼前ですよって、空いてるわ」
ステファンさんは、麦茶のグラスを一気に飲みながら椅子から立ち上がっていた。
叔父と、俺がそれに続いていた、前を行くステファンさんは、太ったからだを揺らしながらも、元気な足取りだった。

作品名:夏風吹いて秋風の晴れ 作家名:森脇劉生