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風に吹かれてみたら

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小高い丘の公園・・・
少し肌寒い晴れたお休みの日
少し芽吹いてきた木々を横目に
散歩道を歩く
水仙がたくさん咲く沼は、まだ薄い氷が張っていた
小さな散策用の橋を渡るとそこには白梅・紅梅が咲いていた
ちょっとした梅園だったかな
デジカメを構えて、小気味よくシャッターを・・・
キレイに撮れたかな・・・画面を切り替えて確認
そう、見せてあげたい人がいるからね

もう少し上に登ってみようかな・・・
狭く、くねった坂道を歩く
徐々に広がる青空の眩しさに目を細めながら
ゆっくりゆっくり、優しい風に吹かれながら
雑木林の中を抜けると、もう一段高い展望台
コンクリートの螺旋階段を一気に駆け上がる

展望台の上から西の方角を眺める
その視線の先に見えるのは・・・
信じられないくらい近くに見える
真っ青な海の向こうには、雄大な真っ白な富士山

目に見える景色は広く大きい
だけど、デジカメの中では小さな箱庭のようにしか見えない
雄大な富士山が小さく写っているだけ

そうだね、心のカメラでしっかり保存しておこう
デジカメの画像は心のアルバムのインデックスだね
いつまでも、この景色・風の匂いは忘れることなく
心のアルバムに大切に保存しよう

展望台の風は新緑の香り
芽吹いてきたふわふわっとしたイメージの香
心地いい風が鼻をくすぐる・・・

丘を降りて水仙の沼の小さな橋を戻る
足元の薄い氷がいろんな顔を見せている
そろそろ、水仙も芽吹いてくるのかな・・・

沼の水と氷が織り成すハーモニー
薄い氷の面に、小さなハート型の模様を見つけた
偶然にもデジカメの画像に写っていたのさ
とてもラッキーで幸せな気持ちになれたよ

今度は夏に来て見よう
たくさん景色が違って見えるはず
そう、富士山もね・・・
そう、向日葵の畑はあったかな・・・
きっと大きな向日葵が太陽に向かって
いっぱい背伸びして、笑顔を見せてくれるだろうね

風に吹かれて、その風を匂いを感じて・・・
作品名:風に吹かれてみたら 作家名:風の旅人