小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

未定

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 

プロローグ


ここの廊下は、こんなにも長かっただろうか。
手に持つ懐中電灯に誰も照らされないことを祈り、歩き続ける。

教師が授業の小噺に、遅くまで残ったために警備会社に捕まりそうになった・・なんて話をしたものだ。
まさか今日に限って教師が校舎の端まで徘徊してるとは考えられないし、ちゃんと出口だって用意してある。
いや、このままここから抜け出さず、あの死体と共に見つかった方がずっとましなのかもしれない。
それくらいに、嘘をつき通すというのは難しいことだと思う。

誰かが、人間の美しさは誠実さからくるものだ、と言っていた。
つまりは、嘘をつくな、ということだ。
そもそも嘘をつかない人間なんているのか?と思った。
そんなこと有り得ない。
しょうがないのだ。全部。
本当の事を言えば、親が悲しむ。友が悲しむ。
わざわざ真実を晒す必要もないのだ。
ただ、自分だけが真実を包み込む。
それがとてつもなく苦しい、それだけなのだ。
確かに、そんな人間は美しくなんかない。絶対に。
でも、それでもいいと思う。
美しくなくても、その中には楽しさがある。
それで、充分。

ここまで考えたことが、何度かあるような気がする。
でも、今日はもう少し考えれば、もっと納得のいく考えが出るような気がした。
それに、こんなことを考えるのは、今日で終わりのような気もする。

ふと、後ろの方から小さな音が聞こえた。

作品名:未定 作家名:wuper