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げつ@ついったー
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novelistID. 2846
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俺らの真面目な青春です。

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トランキライザーに恋して


(1年生・5月)

「大丈夫?」
息、吸える?トイレの個室で、冷たいタイルの床に跪いた尊は背中を擦られてようやく、鍵を掛け忘れたことに気が付いた。
「…い、じょぶ……ごめ……」
喉が焼ける。胃酸の味にむせて、顔をしかめた。もう何もないはずなのに、競り上がってくる感覚に鳥肌が立つ。知らない人が気遣ってくれているのに、そんなのに構ってられないほど気持ちが悪かった。助けて。たすけて。
女の白い腕が伸びてくる幻想を見て、思わず背中に触れている腕にしがみつく。
「あ、」
相川。知らない人どころかクラスメイトだった。最悪だ、尊はそれでも腕を離せずに思った。
女性恐怖症。健全な男子高校生相手ならなんとなく、とても頂けないような、汚いモノのようなそんな扱いを受けるのが当然だった。尊は同性愛者でもなかったのだけど、女のように整った甘い顔立ちのせいもあって、どうもそういう目で見られていたことも多かったようだった。自分にその気もないのに、そんな固定観念でもって接されるのは、やはり苦痛だった。
「ご、ごめん………っ、」
「いや、大丈夫かお前」
だから、こんなにあたたかい腕を知ったのも、はじめてだったのだ。

(36℃の体温が恋しくて、)