突然革命事実 第一話
起床
「おーい、起きろこの大馬鹿者」
開口一番そういうのは俺の幼馴染、暁 智紗(あかつき ちさ)だ
毎朝毎朝同じことしか言わない単純馬鹿
もう少しレパートリーを増やしたらどうなんだ
智紗の言葉に反抗したいのは山々だがさすがに学校に遅刻する
仕方なく重たい体を起こして眠りを噛み締めながら目をこすった
視界がはっきりとし始めるとそこには智紗が仁王立ちで腕組みをしていた
とてもかわいらしい容姿をしているのに言葉や行動が酷く残念なのが暁 智紗という人間だ
一人称はボクで言動や行動は男勝り
なのに髪は金色のロングストレート、目はつぶらな青
頭にはトレードマークのニット帽をかぶっている
内面と外見が酷く相違したやつだ
見るたびにとても残念な気持ちになる
「なんなんだよその目はー!もう、おはよう雪那(ゆきな)」
「おはよう」
文句を言いながらも挨拶だけは毎回律儀にこなす
妙に生真面目なやつだからたまに調子が狂う
「ほらほら、さっさとリビングに行くぞ!おばさんがパンケーキ作って待ってるからな」
楽しそうな声を上げて智紗はドアノブを握った
今日はパンケーキか
いつも和食中心の朝飯だから洋というのは珍しい
どんなもんかとすこし気になって俺は智紗に続いた
一階に降りると母さんが三人分のパンケーキをテーブルに並べていた
智紗が駆け寄ってナイフとフォークを食器棚から取り出す
俺も冷蔵庫から牛乳を取り出してコトンとテーブルに載せた
湯気の出ているパンケーキはひときは美味そうで
上に乗ったマーガリンがとろっと黄色い液体になるのを見て食欲をそそられた
「はやくたべよーぜ!」
そういったのはもちろん智紗だ
もう準備万端といわんばかりにナイフとフォークを掲げている
俺と母さんを席に着き、「いただきます」と手を合わせた
智紗は本当においしそうにカタカタと笑いながらパンケーキを頬張った
確かに美味いが智紗を見ているとどうも危なっかしくて仕方が無い
「もうちょっとゆっくり食べろよ」
「いいじゃないか、早く食べないと遅刻するぞ?」
そういわれて時計を見ればもう七時二十分
家を出る時間まであと二十分しかない
残りのパンケーキを口に放り込んで和室に行き制服に着替えた
俺が戻ってきたと同時に智紗は「おかわり」と弾む声音でいった
母さんはただにこりと笑って余分に作っていたパンケーキを智紗の皿に乗せた
俺の母親は数年前交通事故にあった
そのとき、車を運転していた父さんは他界
母さんは声と片方の耳の聴力を失った
かろうじて片耳が聞こえるのはまさに奇跡だったらしい
でも、俺と智紗はまだ幼かったためショックは大きかった
智紗はいうなれば肉親ではない他人だが生まれたころから一緒にいたんだ
父さんの死にショックを受けないはずは無い
それから俺達はしばらくまともな食事というものが出来なかった
やっと出来るようになったのは父さんが死んで丸一週間過ぎたころだった
今では普通に食事は出来るがお互いがいないと今でも何かを口にすることが出来ない
だからさっき俺が着替えに行っている間智紗は「おかわり」とはいわなかったんだ
時間は過ぎ現在七時四十分
家を出る時間になり俺と智紗は勢い良く家を飛び出した
母さんが手話で「いってらっしゃい」といってくれた
俺達はそれに「いってきまーす!」と大声で返事をした
―――――――――――――――――――――――――――
――――
――
あとがき
今回はBL小説!
多分かなり浅いものになるのではないかと(汗
だって…まだ書いた経験ありませんしね!
調子に乗ってかいてますけど(笑
お付き合いいただけるとありがたいです
読んでくださってありがとうございます!
作品名:突然革命事実 第一話 作家名:ちょびっつ