人恋しい (秋)
少し小走りに
私の後を歩く
歩幅を広げて
あなたの横にすっと寄り添う
やわらかく手を置く肩にあなたの温もり
見上げた瞳にかすかな微笑み
そんなひとときを夢見ながら
秋を捜して歩みを進める
競って咲きだすカンツバキのローズ色は
どこかたよりなげで
ほぐれたススキはすまなさそうに
秋の終わりを告げたそうにする
澄み切った空の青さに
固まった心はほぐれてながれる
木々のすきまに輝く陽射し
一瞬に訪れる眩しさは我にかえるチャンスをくれる
日々重なる秋は遠のいて
凛とする冷気が訪れる隙をうかがう