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【Livly】誰も知らない物語

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馬鹿なピグミー


あるピグミーの話だ。
彼はひどく馬鹿だった。
何を言われても、いつもへらへら笑っていた。
彼の馬鹿な点は、自分が馬鹿であることを知らないということ。
彼の愚かな点は、どんなにひどいことをされても、相手を憎めないということ。
ただ笑って、大丈夫大丈夫と許してしまうのだ。
そのピグミーは強いものに憧れた。しかしそれは間違った方向だった。
彼は馬鹿で、とことん優しかった。この組み合わせは悪すぎる。馬鹿で優しいなんて、ずる賢い奴らの格好の餌食だ。
ちなみにここでは、賢い奴らというのは悪知恵のある連中を指している。
彼は放置リヴリーだ。当たり前だがG.L.Lにも入っていない。ddも、パスポートもなかった。飼い主だってどんな奴かわからない。
彼はかわいそうなピグミーだった。自分では気づいていなかったけれど。

彼は友達が欲しかった。命令もしない、石も投げてこない友達。
心を通わせてくれる相手、のろまでぐずな自分の話をせかさずに聞いてくれる相手、一緒に泣いてくれる相手、寂しいときに寂しいといえる相手。

それが欲しかった。そして自分も、相手のそんな存在になりたかった。


これは、そんな馬鹿なピグミーの話だ。