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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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赤鬼と由美子さん

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T自動車の秘書課に勤務する由美子さん、社内1番の美人です。
その由美子さん自慢の髪の毛を切ってしまったのです。
これは大変誰が振ったのだろうと大騒ぎ。
あるいは俺の出番だと張り切る男もいた。
由美子さん髪を切っても余計に美しい。

所が由美子さんすごい出べそなのです。
いざ結婚の話になると黙っている訳にもいかず、出べそを見せると
「お前男か」
と逃げてしまうほどの出べそです。
それほど由美子さんの出べそは立派なのでした。

男は美人に弱いのか頭が弱いのか、由美子さんに近寄る男は後を絶たない。
由美子さんもう男が嫌になり、仕方なく自分の顔に傷をつけた。
その傷が化膿してひどい顔になってしまった。
こうなると男は誰ひとり言い寄っては来ない。
由美子さんせめて出べそだけでも治したくて、雷の日に出べそを出してみた。
「ごめんください」
と赤ら顔の男が由美子さんの傍に来た。
会社では無口な目立たない男であった。
「その出べそ僕が食べてしまいます」
男は本当に食べてしまった。
「酒の肴には最高だ」
男は赤鬼の様な顔になっていたが、由美子さん涙が出て来た。

だって自分がちやほやされていた時には見向きもしなかった男に助けられたんですから。
すっかり傷も治って元の顔になった由美子さんと赤鬼の男が歩いている事がうわさになった。
「あんな男より俺の方がいいのにな」

おわり

作品名:赤鬼と由美子さん 作家名:吉葉ひろし