organizer-オルガナイザー-
「入っても、大丈夫だよね・・・?ここ、どう考えてもお墓だよ・・・?」
「・・・・うん・・・・けど、何かありそうだよね?調べてみようよ。・・・・・・って、このお墓しかないけどね」
2人は調べようと至って普通の墓の近くに寄る。その瞬間、2人の宝石から赤い光が出た。
「えっ・・・?」
赤い光はお墓を包み、大きな音と共に消えていった。
「・・・な、なんだったの・・・?今のは」
「・・・・・!!!ねぇ、見て!お墓から剣が・・・!!」
少年と少女は2本の剣を見つけた。ひとつは刃は真っ直ぐと長く、細く伸びている日本刀のような剣。
そして、もう一つは・・・
「なに・・・この・・・・剣・・・」
一言で言えば、鎌のような剣。人を殺すために作り出した禍々しい剣。
「この剣・・・凄いね。何て言うか・・・怖い・・」
「・・・・・私、この剣で戦う」
少女はそう言うと、禍々しい剣を両手で掴んだ。その剣は少女よりも太く、大きい剣だった。当然、こんな剣は重い。重すぎる。だが
「・・・・・・意外と軽いよ?」
「てことは僕も持っても大丈夫ってこと、だよねぇっ!!??」
少年が剣を持った瞬間、人が何十人、何百人の重さ―もっと重いものを持った重みだった。
「は、はは・・・・凄い、重いね・・・この剣は僕は無理だから、この、細い剣にするよ」
少年が選んだのは日本刀のような剣。
「武器も持ったけど・・・・僕らあんまり剣とかを扱うのは慣れてないよね・・・しかも、持ったことがないから大丈夫かな」
『それなら、私達が貴方達の力になりましょう』
「!?」
突然聞こえた謎の声。辺りを見回しても何処にもいない。声はこの空間に聞こえていたが姿は見当たらない。
『ここです』
ぽう、と白い光が2人の剣から出た。その瞬間―
「な・・・・」
『初めまして・・・・貴方方が私達の主ですね?さぁ、名前を呼びなさい契約の名前を・・!』
契約の名―契約者の名前、契約するものの名前を呼ぶことによって、真の力が出される。
『私の名はブラッドソード・・・・貴方の名前と私の名前を唱えて。契約の仕方は分かるでしょう?』
少女は軽く戸惑いながらも契約を始めた。
「・・・・契約者ラン・ガーネットの名のもとに命ずる。全てを我に捧げたまえ!ブラッドソード!!」
ランとブラッドソードを包むかのように、円陣には赤い血のような液体が出て、2人の周りを回っている。
『契約者、ラン・ガーネット。我は一生を其方にこの力捧げよう・・・・・』
赤い液体は水のように飛び散って消えた。どうやら契約は成功したらしい。
『さぁ、次は君の番だ。さっきの見ていたから分かると思うが・・・落ち着いてやるんだ』
「うん・・・!!」
『俺の名は獣刀白虎(ようとうびゃっこ)だ』
少年は白虎の柄を握ると契約をし始めた。
「契約者セフリ・ガーネットの名のもとに命ずる。全てを我に捧げたまえ!獣刀白虎!」
『・・・・契約者、セフリ・ガーネット。我は一生を其方に捧げよう」
虎のような呻き声が円陣から響きわたった。
どうやらセフリの契約も成功したらしい。
『おめでとう、2人共。さぁ、旅の準備は整いました。あとは・・・・後ほど教えましょう。では行きましょうか」
「うん。待ってて母さん、父さん。絶対立派なオルガナイザーを作るから!!」
2人が空洞から出ると、さっきまで大量に降っていた雨もすっかり止んでいて、空には暁の空が出ていた。
「さぁ、行こう!」
2人は真っ直ぐ、真っ直ぐと歩き始めた。中心戦士を探すべく、真っ直ぐと―
CHAPTER.2GO!
作品名:organizer-オルガナイザー- 作家名:淺香 悠衣