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第三章三話 墨田の決意

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俺こと墨田が目を覚ますと隣で若林が寝ていた。
「・・・・・」
「やっと起きたか。」
「!!」
外には一宮が立っていた。
「お前、覚えてるか?相当暴れたんだぜ。」
抑えるの大変だったぜ?とニヤニヤしながら言った。
「・・・・・・」
「心配するな。全員疲れきって隣のロッジで寝ている。」
ほら、飲めと、水を持ってきてくれた。
「・・・・・ウマイ」
「久しぶりだな。お前の声聞くのは」
「そんなこと」
「そんなに辛かったか?仲間が死んでいく姿は」
「!!」
俺はうつむくと、ハァとため息が聞こえて頭をパシンと叩かれた。
「?!」
「ウジウジすんな。小心者めが。」
「!!な」
「お前だけが苦しんでんじゃねえんだよ。4班は・・・・生き残った4班は辛いんだよ!それでも、仲間のために少しでも、この剣術部隊にたどり着くことができなかった2班、3班と清水班長のためにって、苦しくても皆どこかで先に進もうとしてんだよ!
後はお前だけなんだ。」
一宮は座って俺の目を見ると
「お前の目の前にいるのはだれだ?死んだ仲間か?」
俺はブンブンと首を振った。
「そうだ。今お前の目の前にいるのは生きた仲間だ。
皆生きてるんだ。
死んだ仲間は靖国で俺達の事を見てくれている。
それでいいじゃねえか。」
「一宮・・・・・だけどおれ・・・」
「もうそろそろ・・・あいつらを解放さしてやろうぜ。」
俺は耳を疑った。
一宮は何を言っているんだ?
「お前がいつまでも死んだ仲間達のことを苦に思ってるから、お前のことを心配して靖国に行けねえだろう?」
俺はハッとした。
俺が死んだ仲間のことを引き止めていた?
俺はずっとあいつらが俺のそばにいると思っていた。
しかし一宮は言った。

【俺があいつらを留まらせていた】

その言葉が心に浸透した時、俺の景色が一気に変わった気がした。
「一宮・・・・俺・・・・俺」
気がついたら涙を流していた。
一宮も少し涙目だ。
珍しいなと少し笑うと
「何、笑ってんだよ。バ~カ。」
一宮もニカリと笑った。
すると若林が起きて
「墨田?」
「おはよう、源五郎。」
すると源五郎は驚いて「やったああああああああ」とうるさいほど大声を出してロッジを出て行った。
外に出ても声は聞こえていて
「墨田が復活したぞーーーーーーーーーーーー!!!」
と、バカほど大きい声で叫んでいた。
なんだか恥ずかしくなった。
作品名:第三章三話 墨田の決意 作家名:sanze1991