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豊田駅の向こう

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もうすぐ12月だから部活が終わったころは外は真っ暗だった。坂の上から星がいくつか見えるほどいい天気だった。毎日同じ時間に終わる部活、同じ時間に乗る電車に揺られながら今日の夕飯なんだろうな、と考えながら終わってしまう毎日は幸せだと思うがいまいち面白みがないな、と最近欲が出てきてしまった。鶴舞線の八事駅で降りずにそのまま赤池を越えて豊田駅まで行ってしましたい衝動にはなんども駆られた。でも、そんな勇気などあるはずもなく、八事で名城線に乗り換えそのまま家に帰る。


その日はすごくすごく部活が休みたかった。
6時間目に休もうか頑張って行こうか迷った挙句、部活をさぼってしまうことにした。
そうと決めるとすごく心が軽くなってどこかに行ってしまいたくなった。
だから八事駅で降りずにそのまま豊田駅に向かって乗って言ってしまった。


各駅に停まるたびに乗っている人が降りて行き、赤池を越えると自分と少し年上そうな男の人しか乗ってなかった。
色白でほっそりしているけど、折れそうな細さではないその人はすごくきれいな顔をしていた。
どこを見ているか分からない目には、宇宙が写っていた。
作品名:豊田駅の向こう 作家名:一 一