豊田駅の向こう
その日はすごくすごく部活が休みたかった。
6時間目に休もうか頑張って行こうか迷った挙句、部活をさぼってしまうことにした。
そうと決めるとすごく心が軽くなってどこかに行ってしまいたくなった。
だから八事駅で降りずにそのまま豊田駅に向かって乗って言ってしまった。
各駅に停まるたびに乗っている人が降りて行き、赤池を越えると自分と少し年上そうな男の人しか乗ってなかった。
色白でほっそりしているけど、折れそうな細さではないその人はすごくきれいな顔をしていた。
どこを見ているか分からない目には、宇宙が写っていた。