彷徨
誰に答えを求めるわけでもない
誰が応えをくれるわけでもない
内から湧き上がる
焦燥と渇きと悲哀を
どう打ちのめす
ただただ 持て余し
ただただ 歯がみして
宙の蒼さに呆然と立ち尽くし
月の孤独に身を重ね
木々のざわめきは 哂うばかり
ここから抜けて
ここを足蹴にして
どこへ行こうと言うのだろう
宙の豊かは近頃私を見放す
いいかげんに始末をつけたら らく だろうに と
宙(あなた)には判っている
宙(あなた)から眺めた彷徨は
小さくて 寂しげで 儚くて 愛しいのだろう
宙(あなた)には判っている
宙(あなた)から眺めた彷徨は
掴めないもどかしさにたじろいでいる幼さを
お前も小さな 宙 なのに
瑣末な心情に目を向けないで
今在るところで
今目の前の雑事を真心こめて
ひたすらに働いてごらん
静かに穏やかに囁いているにちがいない