乱れる歯車 壱
俺の手首から流れていく血液を、拓摩は嬉しそうになめている。
生々しい粘着音が部屋中に響き渡る…
ふっと、拓摩は顔を上げて俺にこう言った。
「空、俺らこれからはずっと二人で一緒にいれるんだよ、
空は俺だけ見てればいいんだ。」
俺は、もうここから抜けられない、一度壊された歯車はもう戻らない。
今、俺の目に映るのは俺の手首に楽しそうに吸いついてる拓摩と、
一生動くことのない、11時56分を示した、柱時計だけだ…
あの時から、歯車が噛み合わさってなかった事にもっと早く気づいていれば…
こんなことには…