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44.友達(12/19) :泡沫


「友達、ってなんなんでしょうね…」
 彼女が、唐突にそんなことをつぶやいた。
 見ればその顔には、涙の流れたあとがある。
 きっと、さっきの夢での話だろう。
「知ラネーヨ」
「ですよねー。あるふぁ、友達いないですもんねー」
「ナンダト」
「…なんだかすごく素敵な“友達”を見たんですよ。二人の間には、良いことも悪いこともいっぱいあって、傍目から見ればむしろ悪いことのほうが目につくのに、それでもお互いを愛し、信じ続けた“友達”なんです」
 それは、あぁこの人は友達に憧れがあったんだった、ということを思い出すには十分すぎる表情で。
「ショーガネーナー、おれガ友達ニナッテヤルヨ」
「え、なんですかそれ」
「条件ハ全部満タシテルト思ウンダケド?」
「……そういえばそうですね。じゃ、お願いします」
 彼女はそして、少し恥ずかしそうにあはは、と笑った。