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20.ジャンプ!(11/25) :先生


「さぁ飛ぶのだ先生!」
「いやいやいやいやいやムリムリムリムリムリ」
 天にも届く巨大な豆の木。
 その天辺にほど近い葉の上で、二人の人間がもめていた。
 赤い髪にいつもの白衣姿の先生は、背中に何か大きな金属製のものを背負っている。
 対するえーちゃんは、その自慢のピンクの髪にもオーバーオールにも手袋にも、オイルの黒い汚れが染み込んでいた。
「大丈夫なのだ!落ちたって怪我はしないのだ!」
「そういう問題じゃなくてね、先生高いところ駄目だって前にも言ったはずだよね」
「そんなのは気合でなんとかなるのだ!」
「ならないっ!ていうかなんでえーちゃんじゃなくて俺が飛ばなきゃいけないの!?」
「えーちゃんだと重すぎてムリなのだ。だから先生に譲ったのだよ!」
「あぁそう…はぁ」
 先生が恐る恐る下を覗きこみながらつぶやく。
「豆の木の天辺って言われた時点で結構嫌な予感がしたのに…うわっ高い…しかもそれで『機械の羽根しょって飛び降りろ』って言うんだから…オレもうだいぶ帰りたい…」
「飛び降りるんじゃないのだ!葉っぱの端っこでちょっとジャンプして欲しいだけなのだ!そしたらその羽根のおかげで飛べるはずなのだ!」
「…万が一飛べたとしてだよ、オレの高所恐怖症の問題はむしろ悪化s」
「あーもーうるさい!」
 えーちゃんが癇癪をおこしたかのように声を上げると、格別の笑顔を作って、一つ。
「先生、飛んで?」
「はっはいぃ!」
 びっくぅ、と怯えだした先生を
「じゃあ、ジャーンプッ!」
 かるーくえーちゃんが突き飛ばした。
「うわあああ…あ?」
「お?」
 先生の身体はしばしの間滑空し…
「あああああああああああ…」
 極普通に落下した。
「…改良が必要なのだ♪」
 その言葉をぎりぎりのところで耳にしつつ、彼は心に誓った。
 下まで落ちきったら、とにかく急いで逃げ帰るんだ、と…