小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

昨日と云う日が土曜日だったらいいのに

INDEX|1ページ/1ページ|

 
『昨日と云う日が土曜日だったらいいのに』


どうもダメだ。

長い休みに入ると曜日の感覚が薄くなってしまう。

殆ど外に出ることがない私は特に。

まぁそんなことより、明日は快晴のようだ。

しかも気温もこの月にしては4℃以上高いらしい。

少なくても携帯の天気予報にはそう記されていた。

無性に出掛けたくなった。

自転車で遠出したくなったのだ。

さっそくネットを駆使して、何処に行くのかを決める。

博物館、美術館、神社仏閣、レジャー施設、公園・・・

色々と迷ってしまったが、結局水族館に行くことにした。

私の住んでいる県は内陸で、海との関係は希薄だ。

そんな所の水族館に興味を惹かれた。

ただそれだけの理由だった。

明日に備え、もう寝ることにしよう・・・


次の日の朝。

特に何を準備するわけでもなく、軽装備で玄関を出た。

自転車にまたがる。

まだ若干寒い。

しかし、昼頃には今の気温の2倍は暖かくなることだろう。

私はペダルを漕ぎ始めた。


なんと遠いことだろうか。

それとも私の体力が衰えたのか、はたまたこのカゴ付き自転車が悪いのか・・・

とにかく疲労感が半端ではなかった。

目的地はまだなのか。

勘弁してくれ、帰りもあるのに。

そう思ったのもつかの間で。

後はまさに無心でペダルを漕いだのだ。

たかが30?の道のりを、漕ぎ続けたのだった。


見えた。

目視できた。

あれだ。

嗚呼、やっと到着することが出来た。

感動云々と云うより、とにかく達成感。

駐輪場を探す。

日曜日だと云うのに駐車場にはなんだか車が少ない気がした。

あまり人気のない水族館なのだろうか。

まぁ確かにパッと見て、なんだか古びていて想像していたよりも小さい。

人気が出ないことに納得してしまうような外観。

でも私はそんなことに興味はなかった。

自分の目的を達成することにしか興味はなかったのだ。

とにかく水族館に入ることにする。

・・・?

ここで初めて違和感に気がつく。

人の気配がしない。

いや、人と云っても従業員の方だ。

自動ドアの前に立っても開かない。

心の中がざわめいた。

まさか、まさか・・・

別の所に視線を向けると、小さな看板を発見することが出来た。

「本日休館」

馬鹿な。

今日は日曜日のはずなのに・・・臨時休館なのだろうか。

携帯電話を開く。


「○月×日(月)」


・・・・・・!!!

休館日、毎週月曜日。

調べたとき、確かにそう記されていたことを覚えている。

嗚呼、そう云うことだったのか。

嗚呼。

思わず呟いた。

「昨日と云う日が土曜日だったらいいのに」


END