トイレ
物音一つしない静かな空間。
聞こえるのは自分の胸の高鳴りだけ。
それは電車の向かってくる音に似ており、段々大きくなってくる。
駅はまだ遠い。
初めてその高鳴りに気付いた時
私はそのリズムとは1テンポ速く駆け出した。
電車より速い今の私の足はまるで新幹線。
景色を楽しむ余裕などありはしない。
その乗り物はすぐに目的地へと着いた。
水のせせらぎと共に私の旅は終わる。
私はまた一つ扉を開き成長した。
今の私には以前のようなあせりはない。
何事に対しても余裕のある対処の出来る人間へとなったのだ。