小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

INDEX|36ページ/51ページ|

次のページ前のページ
 


10月の宮古の海は波が高い。
白い岩の上の松が風に揺れていた。
波しぶきが真理恵の頬に当たる。
いつの間にかそんな近くまで来ていた。
このまま歩いていけばいい。
あの龍泉洞の透明な水を思い出していた。
いくら透明な水であってもいつかは見えなくなる。
真理恵は宏の心は見えていたつもりであった。
悲しい。
見えなくなったら潜ればいい。そうは思っても、自分には息が続かない気がした。
真理恵は愛の最後の言葉が体の結びつきなのだと考えていた。
宏は真理恵の初めての男であった。
衣服は濡れていた。
海の臭いを感じていた。
「おーい」
かすかに聞こえていた。

作品名: 作家名:吉葉ひろし