クロス エピローグ ~IT IS DEAD~
当日、軍の広場には目隠しをされ、磔にされたクロスがいた。立会には遺族ヘンダーソン中尉、オブライエン少尉、グラント将軍の他に、アレックスとロンとデービス刑事にロゴスがいた。
「何か言い残すコトは?」
「ない」
「そうか。では始める。整列!」
五人の射手がクロスの前に整列した。
「構え。射(て)っ!」
十数発の銃声が響いた。
「撃ち方止め! 死亡を確認せよ」
白衣を着た小柄な男が脈を採る。既にこと切れていた。
「死亡確認」
「以上、公開処刑終了。解散」
皆散り散りに去っていった。ロゴスは不満顔だった。ロンとデービス刑事は憑き物が落ちたかのように晴れやかな顔をしていた。
グラント将軍が近づいてきて、アレックスに白い封筒を手渡してきた。
「少ないが、これは私からの礼だ。受け取ってくれ」
「よろしいのですか、将軍」
「あぁ、構わん。取っておいてくれ」
「ありがとうございます」
アレックスも広場を後にした。
帰宅して封筒を開けてみると、百万バックス入っていた。これだけあれば痛飲できると思ったが、ビリーに窘められた。諦めたアレックスはロンの部屋に向かった。
「オレの金でディータの酒全部呑んでいいって言ったよな。行くぞ!」
ロンは引きずられるようにして連れ出された。
完
作品名:クロス エピローグ ~IT IS DEAD~ 作家名:飛鳥川 葵