『ずっと一緒に』
朝起きたら目の前には寝ぼけまなこで私を覗きこむ彼の姿
食事を食べつつ私を真剣に見つめる彼の眼差しに少々照れながら
昨日あった出来事を話すのが朝のお決まり
夜は彼が眠るまで語ります
話したいことがありすぎて
彼の泣き顔、笑った顔、驚いた表情を見るのが楽しくて
語る声にも熱が入るというものです
聞くのはちょっと苦手だけど…
彼が寝る前にそっと瞼を閉じてくれます
私はおしゃべりを止めて
深い眠りにつくのです
「また明日、おやすみなさい」
そんな毎日、とっても幸せでした
ずっと彼と一緒にいられると思ってた
まさかあの日が最後になるなんて…
「ふぅ、これで全部かな」
引っ越しの荷物をトラックに詰めながら、僕は呟いた
後はゴミを出さなきゃ…
彼女と一緒に住む新居にはリビングに42型の薄型TVを置くんだ
映像も綺麗だし、
観られる番組もずっと増える
考えただけでニヤニヤが止まらない
このブラウン管TVともおさらばだ
僕は足取り軽くゴミ捨て場を後にした