それぞれのプロローグ
はじまりはじまり! ―じょしょう―
時は悠久(ユウキュウとお読み下さい。作者が勝手に作った元号です)。西暦はナイショです。勝手に想像して下さい。
まずは物語の舞台からご説明致しましょう。
日本本土から船で四時間ほど離れた所に、自然がそのまま残った島があります。この島の“存在”自体があまり知られていないのですが、不思議なことにこの『島』に学校がありました。
大抵の場合、“学校”というものは街中か住宅街から少し離れた場所、もしくは丘の上にでもあるものです。しかしその学校は島に建てられていました。というか“島全体”が一つの“学校”になっていたのです。
ああ、他に変わっていることといえば、そこは小学校と中学校が一貫になっていることでしょうか。あり得ないって? 海外の私立ではよくありますよ。ちなみに全寮制の男女共学です。
その学校の校長と理事長は姉妹でした。年を感じさせないパワフルなおばあさん達です。
二人は大の子ども好きで、子ども達を常に見守り戯れていたいという願いでこの学校を創りました。創立に関しては、家がお金持ちだったのでそう苦労はしなかったようです。
……と舞台設定はこれくらいにしまして。
実は、この二人おばあちゃんは子どもと同じくらい大好きなものがありました。
そして――その興味ゆえに一つの過ちをおかしてしまったのです。
(元凶のお二人は全然反省も後悔もしていないので“過ち”とは言えないかもしませんが)
作品名:それぞれのプロローグ 作家名:狂言巡