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飛鳥川 葵
飛鳥川 葵
novelistID. 31338
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クロス 第二章 ~TRY~

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 ちょっと心の中を見透かされた気がしてバツが悪くなったビリーは、コホンと小さく咳払いをして居ずまいを正した。
「ピンクのガーベラとかすみ草を適当に見繕って下さい」
「はい。で、用件ってなぁに?」
 マリアは切り花コーナーで花を選びながら聞いた。
「最近何か変わったコトありませんか」
「さぁ。警官が目につくぐらいで、特に変わったコトはないけど」
「警官に何か言われませんでしたか」
「言われてないわ。何かあったの?」
「それが知りたいんです。警察は何か隠しているんです。そういう気がしてなりません」
「そう。ウチにはそういった情報は入ってきてないわよ。何か物騒なコトじゃなきゃいいんだけど」
「そうですか」
「はい。できたわよ」
「ありがとうございます。わぁ、可愛いですねぇ。花っていいですね」
「そうよ。気分が晴れやかになるもの。じゃあ、何か警察関連の情報が入ったら教えるわね」
 もう一度礼を言って、ビリーは、店を出た。警官が目につく? やっぱり何かあるんだ。そしてそれを隠したがっている。ビリーは嫌な予感がした。アレックスは逆に喜ぶだろうけれど。