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ルック・湊(ルク主)

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愛玩



ここのところ仲間集めに精を出している湊。
相変わらず、いつもルックを連れ出す。
ルックは、最初はなぜ懐かれたんだ、どこにミスがあったっ・・・とか思っていたが、もう最近は諦めたようだ。
今日もルックをひきつれ、出かけようとしたところにチャコとばったり会った。

「湊、湊、また出かけるのか?いいなー俺も連れてってよ。」
「遊びに行くんじゃないんだけど。」

呆れたようにルックが言った。

「分かってるよーうるさいなールックは。ねえねえ、いいだろ?湊ー?」
「うん、いいよ。あ、そうだ、そういえばトゥーリバーで気になるところがあったんだ、ちょうどいいじゃん、行こう。」
「やたー。」

チャコはとても嬉しそう。反応が可愛いんだよねーと湊がルックに言うと、君に可愛いとか言われたくないと思うけど?と返された。
なんで?と湊は首をかしげている。
子猿だから、そうゆうとこ、分かんないんだろうな、とか失礼なことをルックは思いつつ、湊に向かって言った。

「それより湊。もしトゥーリバーに行くなら、まだあそこは少人数だとレベル的に厳しいだろ。ちゃんと他にも何人か連れてってよね。」
「え、ああ、うん、分かったよ。ルック、お母さんみたいだね!」

この子猿っ。誰の為に言ってるんだとっ、とルックはムッとした。もちろん、そうゆうとこがお母さんみたいなのであろうが、仕方ない。
油断して、この子に何かあってはいけないから。
なぜ?だって星主だから。・・・うん、そう、だ。
最初から誘う気はあったのか、もしくはルックに言われたからか、酒場に行き、湊はレオナにパーティを組む手配を頼んでいた。

「て、見事に歳の近いやつばっかだなー。」

チャコが言うように、加わったのは他はフッチ。それにいくつかしらないが、ムクムク。それとシーナ。

「え、シーナは大人でしょ?」

湊がムクムクに抱きつきながら言った。

「歳はそりゃ19かなんか知らないけど、中身は大人とは思えないよ。」

ルックがそっけなく言い、シーナに、そりゃあねぇよ、と突っ込まれていた。
そんなルックは内心少し呆れている。なんていうか、確かに人数は増えたけど、強い敵が出た時のことを思っての選別だとは思えない。
だいたいなんでムササビ!?
親友かなんか知らないけど、でもそれはヒトじゃなくて、ムササビだからねっ。
ただ、このムササビ、ルックに出会う前はよく一緒に戦っていたようで、何気にレベルは高かった。
それにしたって気が抜ける。それでも108星の一人なんだよね・・・。
前の時は動物関係の108星なんていなかったように思える。まあ軍や本拠地の雰囲気からして今と前は違うが。

トゥーリバーに着くと、湊は地下水路に向かった。

「なんかこの間ね、ここに来た時に、誰か住んでそうな穴があったの。」

そう言いながら、水路を歩き、目的地に向かった。
その中に入ると、確かに人が住んでいそうな感じ・・・というより、今まさに人の気配がした。

「ふふ・・ふふふ・・・チャーコーーーーー・・・・」

不意に声が聞こえた。びっくりはしたが、チャコの驚きようったらなかった。

「ぎゃああああああ!!!!シ、シドっ!!」

「なんだ、チャコ、久しぶりじゃないか、挨拶くらいしたらどうだぁ?」

そう言ってチャコと同じ種族であろうか、青年は、ジリ、とチャコに近づいた。

「やめろ、よるな!!!来るなーーーーーー!!!!」
「どーしたー?チャコーーー?」
「うわああああああ!!!ゆるしてくれよぉ!!!やめてくれよぉぉぉぉぉ!!言う事聞くからさぁ!!!!!」
「よぉし、良い子だ、チャコ。」
「ふーーーーーー、ふーーーーーーー」
「な、なんだ・・・?ど、どうしたの?チャコ?」

あまりのチャコの取り乱しように、皆は唖然としていた。湊が恐る恐る声をかける。するとチャコが答える前に、その青年が湊に言った。

「俺の名前はシドだ。チャコの、そうだなぁ、アニキ分てところだな。」
「ウソつけ!!!!人のこと、おもちゃにしてさんざんもてあそんだくせに!!!」
「「「え・・・?」」」

なんですか、今のセリフは?ルック、シーナ、フッチが固まった。湊は分かってないのか成り行きをハラハラと見ている。

「ところでチャコ、今お前何してるんだ?」

しかも、シド、スルー!?

「ふん、お前なんかに言う・・・」
「チャーーーーーコーーーー、食っちまうぞぉぉぉぉーーー」
「うわああああ、言う、言うよ!!俺は、ここにいる湊の率いる軍にいるんだ。」

く、く、喰っちまうって、あの、どの意味で!?3人は青くなりながらもそう内心で突っ込む。湊だけが、そんな、人なんか食べてもおいしくないよ、と明後日の方向のことを呟いていた。

「ふーーーん・・・・よし、決めたぞ、俺も行こう。」
「なにぃぃぃぃぃ!!!!」
「そろそろここにも飽きたしな。弟分のお前を危ない目にあわす訳にもいかないしな。」
「うそつけ!!!!俺のこと、またおもちゃにする気だな!!!何が危ない目だ!!!お前といるほうがよっぽど・・・・」
「チャーーーーーコーーーーーーー」
「ひぃぃぃぃぃぃ・・・・・」

おもちゃって、また言った、うん、また、言ったね・・・?3人は何気に顔を見合わせて心の中で会話する。湊だけは分かってない様子で、どもりながらなんとか声をかけようとしていた。

「あ、あの、え、えっと・・・」
「ああ、そういう訳だから、俺もお前らの城に行く。よろしくな。」

シドは言いたい事だけ言うと、勝手にその穴から出ていってしまった。
湊は相当落ち込んでいるチャコを慰めている。

「えっと・・・ま、まあ何だ、そ、そんな無茶なことはしてないんじゃね?」

歳も離れてるしさー、とシーナが明後日の方向を見ながら言った。

「歳は知らないけど、あきらかにチャコは嫌がってる勢いじゃないか。それにしても湊って、何気に鈍い・・・?」

あきらかに聞き捨てならない会話を聞いたはずなのに、湊は何一つ分かっていない様子であった。

「いやまあ、俺はお前が何気に良い反応した方に軽くびっくりだ。」
「・・・どういう意味さ。」
「えー?だってルックってさ、そっち方面、まったく興味なさそう、ていうか知らなさそうじゃん。」
「人をなんだと。そりゃシーナほど興味深々じゃないけどね。」
「俺は女の子が好きなだけ!まあ湊もなかなかいい味出してるけどさぁ。」
「は?何言ってんの!?」
「て、こんなところでケンカしないで下さいよ。」

一番年下のフッチに間にはいられ、2人とも黙った。

「それにしてもフッチ、お前もなかなか良い反応だったよなー。」
「そりゃああんな風な会話聞けば、誰でもあせりますよ!」

なんの反応も見せてなかった子が一人いますが?とシーナとルックは湊を見る。
そんな2人に気づいて、ん?と湊は首をかしげていた。


「なんかね、シドが怖い話するみたいだよ?」

後で湊がルック達に言った。
結局、怖い話でいじめる事を言っていたのか、3人が想像した通りなのかは、分からないままであったが。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ