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ルック・湊(ルク主)

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愛染



我に返ったルックは湊を改めて見る。真っ赤になって人前で、と抗議している湊・・・。

「ああ。・・・ねえ、なんで?」
「へ?何が、なんで?」
「君は・・・どうも僕がするキスを挨拶ととらえてたと思ったんだけど。挨拶なら、人前でしてもおかしくないだろ。」

ルックは首を傾げ、そう言った。

「そっそれはそうだけどっ。でも、でもやっぱ人前は恥ずかしいよっ。僕、ルック以外にはしてないし・・・。」

するとルックは湊に近づいて言った。

「そう、僕だけなんだ?へえ。」

そうして鼻がぶつかりそうなくらいに顔を近づけた。

「それは光栄だね。挨拶みたいにとらえてたから、誰とでもしてたらどうしようかと思っていたよ。」
「って、ルック?なんか様子、違うくないっ?」

・・・もう色々割り切ったからね・・・?ルックは内心で答える。
とりあえず今後も湊の回復(と自分得)の為にも口うつしはするつもりだし、それにこの湊の鈍さにはたいがいいい加減しびれがきた。
もう先ほどの行為で皆には自分が湊を好きだとバレているだろうし、もう、いい。むしろはっきり行動しておかないと、いたるところに悪い虫がいるようだし。
湊がこの際、自分の事を恋愛対象として見ていなくとも、自分は割り切っていかせてもらう。

「様子、どう違うっていうの?もともと僕はこんな感じだろ・・・?」
「え、いや、そうだっけ・・・?て、ほんとルック!顔が近いっ。なんっ・・・んっ」

ルックはそのまままた湊にキスをする。
いい加減、挨拶の訳がない、と理解してくれないだろうか。・・・ただ、湊は自分以外にはしていない、と言った。
だとしたら、少しは期待しても、いいのではないか?こうやってまったく拒む様子のない湊。
・・・少し、調子に乗っても、いいのでは?
ルックは少し口を離す。

「・・・ねぇ。」
「ふ・・・ぁ・・・な、に・・・・っ!?」

ルックが話しかける事により、湊が口を開く。ルックはそこに舌を差し込んだ。
そのまま湊の咥内を蹂躙するかのようにルックは続けた。歯の裏の羅列を舐めとった後、上顎を刺激すると湊がビクッと身体を震わせる。
しばらく続けていると、湊がグラリ、と崩れ落ちた。ようやく口を離したルックが支えたが、どうも足がぐらぐらしている為、そのままソッと座らせる。

「大丈夫?」
「う、ん・・・。」

湊は真っ赤な顔をしてうなずくも、口を手で押さえて黙っている。
・・・やはり調子に乗りすぎたのだろうか・・・?
ルックは少しショックをうけた。ただ、そのおかげで熱くなった気持ちも落ち着いたが。

「湊・・・?」
「な、んで・・・」

湊がボソリ、とつぶやいた。ルックは自分も湊の前にしゃがみ、首を傾げる。

「・・・ルックのバカァ・・・。」

な、泣いてる!?泣いてるの?やはり、嫌だったか!?
ルックは青くなり、内心動揺した。

「なんで・・・いじわるすんのさ。僕、ルックになんか、した・・・?」

・・・は?いじわる・・・?

「いじわるて・・・。どこをどうとって・・・?」

まったくもって湊の思考回路が分からない。

「・・・いじわるじゃ、ない、の?じゃ、じゃあなんで・・・こんな事すんだよ・・・。」

ああ、やっぱり嫌だったんだな・・・?

「なんで、って・・・」
「僕が・・・僕がルック好きなの、そんなバレバレなの?そんで、好きなの、そんなにやっぱうっとおしいって思ってる・・・?」

ルックは固まった。
どこから突っ込めばいいか分からないっ。
え、でも、え?湊、好きって、僕を好きって言った?好きって、ちょ、あの、ど、どの好きをっ!?
動揺しつつも思った。言葉の様子からして、ルックが湊を想うような好きだとしか思えないのだが。
そして、なぜ先ほどのキスが、そんな気持ちをうっとおしいと思う、などと判断出来るんだ?
・・・やはり湊の思考回路が分からない。ああ、だけれども!

「・・・君、僕の事、好きなの・・・?」

そうおずおずと聞くと、湊は身体をビクリ、とさせた。だがその後でため息なのか深呼吸なのか分からないが大きく息をした。

「・・・うん。好き・・・。」

ルックはとりあえず、理性総動員で持ちこたえた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ