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ゆうかのエッセイ集「みつめて・・・」 2

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 『雑踏』とはよく言ったものだと思う。
 大勢の多種多様な人々が、足元を踏みしめるように歩いて行く朝の駅の地下街。
 その足並みも走っている人、小走りの人、普通の人、やけにのんびりの人と多様だが、その服装も人それぞれ。
 しかし冬のこの時期は、やはり黒ネズミの人が最も多いように思う。
 たまに赤や白や黄色の服を着た人がいると妙に目を惹かれたりする。その姿形は特別なものじゃなくてもだ。
 
 そんな雑踏の中を歩く人、人、人。そんな中に私もいる。
 みんなどこを目指して歩いているんだろう。
 こんなことを言うと、「朝なら当然会社でしょ!」と言う声が聞こえてきそうだ。
 確かに一見そう見えるけど、本当にそうだろうか?

 たまに知らない土地を旅行して、知らない街並みを見るにつけ、ああ…ここにも色んな人の人生があるんだろうなぁと感慨にふけることがあるが、今朝はすれ違う人の足を見ていて同じような感覚になった。
 急ぎ足の人にも、ゆっくり歩く人にも、それぞれに思い悩むことも辛いこともあるだろう。
 しかし毎日毎日を色んな目標に向かって歩いている。それが勤める会社だったり、誰かに会うためだったり、もしかしたら近い将来の夢だったり。

 私ももう少し歩いて行こう。
 夢も希望も特にはないけど、生きてる限り、いや生かされてる限り、神が定めたその日がくるまで。
 『懸命に』と言いたいとこだが、ここは正直に『曲がりなりにでもボチボチと』。
 そして、あと少しあと少し…と自分を鼓舞しながら、太からず細からずのこの足で。

平成24年1月27日