詩まとめ
卵の中身
いつからだったんだろう?
自分の殻を破れないことに気付いたこと
たった一つの銃痕を拡げずに済む方法を僕は模索してきた
他にはもう何もなかった
だから自分で銃を砕いて
沢山の選択肢を作ろうとした筈だったのに
破れない薄い皮膜が僕を無呼吸にさせる
砕いた銃の組み立て方を僕は知らないままでいる
いっそ落としてしまえばいいのだろうか、卵を
いっそ壊してしまえばいいのだろうか、盾を
布石した陣の畳み方を僕は知らないままでいる
破れない厚い殻が僕を過呼吸にさせる
他には何もいらないと叫びたかった
だから自分で選択肢を作り選んでいきたかったのに
たった一つの傷痕を抉らないように済む方法を僕は模索している
自分の器を壊せないと気付いてしまったのは
いつからだったんだろう?
作成日:2011-04-16