詩まとめ
あかいくつ
脱げない靴があるとしたら
僕は望んでその色を選ぶよ
まっかなまっかなあかいくつ
嘘を並べて心にも思ってないこと
やってみせたりして
あなたの心を掻き乱してみたいな
あなたは驚くの?
それとも受け入れてしまう?
言葉なんてもう僕には届かなくて
ただただあかいくつに
僕は踊らされるんだ
あなたは一緒に踊ってくれる王子様?
それとも救おうとしてくれる木樵蕘(きこり)?
一緒に堕ちていくもいいし
一生僕を助けてくれても
ねえ
僕に騙されてみない?
きっと面白い喜劇になるよ
ねえ
貴方が思っているほど
僕は子供じゃないし
ねえ
貴方が思っているほど
あなたは大人じゃない
赤い靴を履いたのは、貴方
一生その足で踊り続けて下さい
それが僕の羽をもごうとした罰ならば
貴方に撃たれた僕の罰はきっと
一緒に受けるためにあるのだから
あと少しで、僕も赤い靴を履いて
そこに向かいます
往くことができます
靴は一束でふたつあるから
僕は貴方の何になれますか
どうか僕を、あなたの赤い靴に。