小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

捜しあぐねて・・・秋。

INDEX|1ページ/1ページ|

 
5:30 に目覚めて
そうだ、コスモス畑を捜しに行こう!!

デジカメと地図と水とパウンドケーキと新聞をかついで いざ!
初めての道

昨日、地図を広げて、行き先を予め尋ねたところ
カーナビに慣れている と誰もが言う
地図が好きな私には、ぴんとこない

「カーナビって煩い、一人で勝手にしゃべってる
わかった!って言ったって、かまやしないでしゃべりまくる、あぁうざい」
ひそひそ呟いてみるけれど・・・
どうも軍配は・・・カーナビの勝ち みたい

まぁ良いわ
地図どおりに行ってみることにする

道幅は狭い
朝早いせいか、時折追い越されるが、穏やかに進む
グリーンベルトは草ぼうぼう
稀に、白い花やら赤い花やらすすきやら
両脇も草ぼうぼう
黄金に替わる稲を眺めながら

鬱蒼と繁る竹やぶを見やりながら走り続ける
どんなに奥深く入り込んでも、道路は舗装され、車には快適
チクリと胸が痛む

これだもの、大雨降れば雨水はどこへ行こうか躊躇って
あらぬところへ噴出してしまう
シマッタ と水だとて困っただろうに
木をなぎ倒し
土を削り
岩を転がし
床にまで溢れてしまう

便利だよ 人間様には
 
その引き換えに季節がいびつに巡り始めて
人々が困り果てる結果を生んでしまう

ごめんよ と詫びを入れても、手遅れなのかしらん
1万歩、歩けば、もげてしまうかも と辛さを抱える
この脆さが待ち受けているなどと
寸分も疑わず、来ちまった

さてたどり着いたものの、花たちは囲いの中らしく、
開園を待てねばならぬ と
あれ ビュンと行きたい時に訪れて、
見たい花たちに出会ってご機嫌で帰って来れぬのか

シマッタ ここは本土(本州って言うかも)
花が見たければちょっと走れば、
どうぞどうぞの世界に居た田舎者だったのか

コスモスなんぞ野の花では無かったっけ
バン!と視界の開けたその先には「私を見て」と気取る花や
饗宴かと見間違う麗しさに風に揺れてる花たちを
両手広げて抱きしめて花に癒され潤った・・・
あれは北の大地の懐だったのか

帰り道
大きな市の公園に立ち寄って
あぁ~こんなに広いじゃないか
あそこにコスモス咲かせたい・・・
入っちゃいけない芝生ならば・・・
眺めて嬉しい花たちを
咲かせたい・・・

それは叶わぬ夢なのかねぇ!
作品名:捜しあぐねて・・・秋。 作家名:ぱーる