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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
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とある夢幻の複写能力<オールマイティ>

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第四章 大覇星祭編



大覇星祭
俺はそれを「風紀委員の仕事がある」と言って休んだ
あながち間違いではないが、結果的には「サボる」というわけである
だが父兄ならばこの学園都市にも入れるというこの期間、警備を強化しないといけないというのは事実だ
それもあり、(合法的に)サボっている
だが俺はまだ知らない
この大覇星祭で
上条たちの知り得ない
もう一つの陰謀がうごめいていることを



「流石に今は大丈夫か」
そう言って叶は目上のモニターに顔を向ける
そこでは超能力者、第五位と第七位による選手宣誓が行われていた
「…食蜂と削板か…」
叶はつぶやく
そして呆れたようにため息をつく
―いや、奴の性格上ああなるのは分かってたけど…
叶の言う"ああなる"とはどういうことか
それはあえて語らないことにしておこう
―お、あれは…
叶は、視線を元に戻したときにある人物たちに目が行く
その先には白髪の少年と十歳くらいのアホ毛の少女がいた
叶はその少年たちに駆け寄り、肩を叩いて話しかける
「よお、一方通行、打ち止め」
「あァ?…天岡叶か」
「おお、あなたは!って、ミサカはミサカはにわかに思い出してみる!」
学園都市最強(表向き)とその補助的存在だ
打ち止めが叶を思い出せたのは、あの日―八月三十一日に一度会っているからだ
「そういや二週間ぶりくらいか。…ここは大丈夫か?」
叶は額の辺りを指差す
「…分かってンなら訊くなよクソが」
思ったとおりの反応が返ってくる
「それが冥土帰しの言ってたデバイスか」
「あァ。ったく、こンなもンに頼らねェといけねェなンてな」
そういって隣にいる少女を見る
「…それが代理演算してあげてるミサカに言うセリフかなぁって、ミサカはミサカは少し理不尽になってみたり」
「あァ、悪かった悪かった」
「そういやお前病院出ても大丈夫なのか?」
話題を変えるために叶は訊く
「まだだ。いまは散歩がてら出てきたみたいなもンだ」
「そろそろ戻らないとって、ミサカはミサカは報告してみる」
「そォだな。…じゃァな」
「バイバイって、ミサカはミサカは手を振りながら別れの挨拶を――」
その手をつかみ、一方通行は去っていった
その去り際に打ち止めが何か言ってるみたいだが一方通行は何も気にしない
「さて俺もそろそろ――」
…と叶が歩き出した瞬間、下半身に何かがぶつかるのを感じた
「うあ!」
打ち止めに似ている
声を聞いた瞬間に叶が思ったことだ
「…打ち止め?」
「違うよって、ミサカは否定してみたり」
打ち止めとほぼ同じ声で否定された
「…妹達…だよな」
「そうだよって、ミサカは肯定してみたり」
今度は肯定された
話し方からして、打ち止めではないのは確かだ
「…名前は?」
「…番号無し(ロストナンバー)」



「んで?なんで打ち止めと同じような容姿をしている?」
「んーっと、ミサカは第三次製造計画の一人として、また最終信号の代わりとしても機能するように―」
「ちょっと待て」
少年は少女に待ったをかける
「第三次製造計画は大体分かった。だが最終信号の代わりって何だ」
「えーっと、もしかしたら最終信号が機能しなくなる―つまり死んでしまったときに、その代わりとして妹達をまとめたり、上位命令文を書いたりって言う…。あ、ミサカネットワークにはつながってるけど意図的に切ることもできるよって、ミサカは―」
「もういい、分かった」
「…でね、ミサカはある人を探してるの」
打ち止めに似た少女―厳密にはアホ毛は無いが―は新たな話題を提示する
「ある人って?」
「…複写能力って言う人って、ミサカは告げてみる」
「…そうか。…一緒に探してやるよ」
自分のことを言われてもなお、叶は平常心を保とうとした
そしてあることを口にする
「…その…なんだ、とりあえず服買おうか」
番号無しの姿は、どこかの病院の入院着らしきものであった



とりあえずセブンスミストへ行き、少女の服を揃えることにした
「ここにあるものなんでも選んでいいの?って、ミサカは目をキラキラさせて訊いてみる!」
「…一着分だけだからな。あと、あんま高いモンは…」
「分かってるって、ミサカはとにかく売り場へ猛ダッシュ!!」
叶はあからさまなため息をつく
「…とりあえず」
少年はズボンのポケットから携帯電話を取り出す
そしてある番号に掛ける
「…紅葉か」
『なによサボり。こっちは忙しいのよ。もうすぐ競技で―』
「ちょっと調べモンだ。…急ぎでな」
『…早くして。今聞いといて終わったら調べとくわ。今日はこの後ちょっと暇だし』
そして叶は言う
「…第三次製造計画、番号無し」
紅葉は言っていることの理解に数秒ほどかかった
『…妹達の計画の話?』
「そんなトコだな。簡単に話すと、番号無しの自己申告では最終信号の代わりってトコだな」
『…分かった。妹達関連の研究者を当たってみるわ』
「…たのむ」



そして叶は会計を済ませ、とりあえず店の中で着替えさせ、入院着は預かることにした
「さーて、これからどうしようかなーって、ミサカは少し悩みにふけってみる」
「とりあえずうちへ来い。腹減ってるんじゃないのか?」
「むむっ、それは家に連れ込んで変な事をするつもりかなって、ミサカは怪しい雰囲気を感じ取ってみたり」
「バーカ。うちには警備員の母親がいるからそんなことはできねぇよ。今日はシフト入ってないみたいだしな」
「それなら安心かもって、ミサカは叶についていくー!」
二人は少年の自宅へと向かった
そして
「ただいまー」
「お邪魔しまーすって、ミサカは一応礼儀正しく挨拶してみる!」
二人は家に入る
「あら、早かったわね…。その女の子はワケありかしら?」
叶の母親は案の定家にいた
「ああ。…アイツの妹だ」
少年はわざとぼかして言う
理由は明白
「そう…。そういうことね」
祐樹はそれだけで大体を理解した
「じゃあその子が打ち止め?」
「いや、こいつは番号無し。…まあ、役割的には同じようなモンだけど」
「そう。まあ、ちょっとの間かくまえって事かな?」
「そうしてくれると助かる」
母親は二つ返事で承諾した
「よろしくね、番号無し」
「よろしくお願いします!…そういえば、あなたの名前は?って、ミサカは疑問を投げかけてみる」
「ああ、そうね。私は天岡祐樹」
「よろしくね、祐樹って、ミサカは握手を求めて手を伸ばしてみる!」
「よろしく」
二人は握手を交わす
刹那、誰かの携帯電話の着信音が鳴り響く
「あ、俺か。悪ぃ、先飯食っててくれ」
「分かった」
そして少年は自室に籠もる
「さ、番号無し、ご飯にしよっか」
「ハーイって、ミサカは両手を挙げてお手伝いしようとユウキについていくー」
そのころ叶は
「…一方通行を殺すための計画…ねぇ…」
『大方そんなところね。番外個体はまだ製造中、番号無しは先にできたみたいね』
「ほぅ…」
『けど、この子狙われてるみたいよ』
「なんだって?」
叶は声を荒げないように話す
『…桐原史郎(きりはらしろう)…知ってるわよね』
「知ってるも何も…」
量産型能力者計画で一緒になって研究していた研究者だ
『彼は"アイツ"と同じようなことを企ててるみたいよ』
「…そうか」
『どうせ止めるんでしょ』