日々
「花びら」
淡いピンクの花びらを
淡い期待を込めてちぎる
届くかしら?
届かないかしら?
春の石段に散る桜の様に
踏まれて汚れて粉塵と化すか
最上の運命をたどっても
曲水を流れる花びらの様に
池に流れていずれは沈む
花びらはヒラヒラと舞いながら
落ち続ける
そして
眠れない夜の堂々巡りに侵入する
暗闇の迷路の中を手さぐりしながら
行きつ戻りつ朝を迎える
寝不足の目に映るのは
踏み散らかされた薄茶色の塵芥
これは花びらだったのか?
もはや呑気に花びらちぎって
運を天にまかせている場合ではない
激流に躍る花びら追って
心臓が全速力で走り出し
切り立つ岩にぶつかる寸前!
血の色に染まって
救出不能になる前に
やっとの思いで両手ですくう
届かなかった花びらは