番外編その弐 墨田家の心の日記
次兄 稔
燈瑚に手紙を返すのは少し気恥ずかしいですが書きましょうか。
拝啓 春の桜がヒラヒラと舞い散る今日この頃 少しずつ暖かい空気がこの大日本帝国を包み込むようです。
いかがお過ごしでしょうか。
私達は元気でやっていますよ。
母上がなかなか手紙が来ないことをぼやいていましたよ。
できるだけ母上を安心できるように短文でもいいので手紙をください。
さて、最近都市部では空襲が頻繁に行われているようで、いつこちらに来るかは少し心配なところもあります。
しかし私たちのことは心配せずにお前の責務を果たしなさい。
そういえばフィリピンに行くようですね。
多分この手紙がつく頃にはフィリピンにいるのでしょう。
よく頑張ったと褒めたいです。
それでは最後に我らの御国「大日本帝国」の勝利を祈願し、あなた様たちのご武運を心から願っております。
どうか、お体を大事にしてください
敬具
作品名:番外編その弐 墨田家の心の日記 作家名:sanze1991