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漢字一文字の旅  第一巻(第1編より第18編)

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三の一  【風】


【風】は、「帆」の原字の「凡」と、「虫」が組合わさった漢字。
しかし、なぜ虫なのだろうか?
一説に、かぜが吹き、虫が揺らされている様だとか。「うーん、これこじつけ?」と言いたくなる。

そんな【風】、映画では、やっぱり…「Gone with the Wind」。
ヒロインのスカーレット・オハラの波瀾の人生を描いた「風と共に去りぬ」だ。

その映像の中に、今でもアメリカで一番人気のセリフがある。それはレット・バトラーがスカーレット・オハラに吐いた捨てゼリフ。 
振り向きざまに、
「Frankly, my dear, I dont give a damn.」
要は、「知らないね、勝手にするがいいよ」と言い放つ。
この「damn」が宗教上の観点からアメリカ人に衝撃を与えたとされている。

さて、それでは日本人にとって、人気のあるセリフは何だろうか? それは、その後に続く、スカーレット・オハラの最後の言葉だ。
「After all, tomorrow is another day.」
これが名訳され、字幕として登場した。

「結局…明日は明日の風が吹く」
まことに上手いこと訳したものだ。
「明日はもう一つの日」を、「明日は明日の風が吹く」とは。

そして、その映画の初公開からすでに七十年以上の歳月が流れた。
しかし、やっぱり明日になれば吹くだろう、明日の風が。

しかも、きっと心に優しい風が…。
いや、そうあって欲しいものだ。