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純愛  物語詩集 第一巻

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一粒の光


光触媒に  
垢(あか)をも取られ
無機質に輝く窓ガラス

その透明さの向こうに
僕達は 現実を捨て
そして 走って逃げて来た

確かに
ずるかったのかも知れない
それは 僕のエゴで

そして 路傍の石っころに
僕はつまずいた

僕達は
真っ逆様に転げ落ちてしまった

墨を流したような真っ暗な闇の底へと

今は
君さえも見えない不可視な世界に

君の吐息だけを感じ
まるで深海魚のように息をしている

僕達には 明日さえもが見えない

だけど ----
だけど 君に約束しよう

きっときっと 見つけてみせる 
僕は

一粒の光を

そして それをかざして
君と這い上がろう
この闇の地獄から

僕は
君の手をしっかり握り
共に戻ろう

光合成のある世界に

たとえ 青嵐の現実が
そこにあるとしても

粒々の光達が
明日へと 輝き舞っている

君に誓おう

僕は
きっときっと見つけ出してみせる
この墨のような暗闇の中に

一粒の光を

君だけへの
いつまでもの愛が

酸素で よりアクティブとなり
そして 光り輝き

宇宙とともに
燃え上がり尽くすように

僕は
きっときっと見つけ出してみせる

一粒の光を

君だけへの 愛のために