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ごめんね

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走って走って
辿りつくのはいつものベストプライス



流れる水の音

黒い鱗にオレンジの斑点をまとい
なんと言う魚だろうと考えてみる


石を飛ばす
水の上で舞う姿を見てなんだか笑える


声を出してみる
響いてくるのは森の鼓動なのか水の反動なのか

メロディーを奏でてるつもりなのに
単語を繋げてしゃべる子供のおしゃべりみたいで
自分の声が情けない

あぁ私はなんてちっぽけなんだと思う


この世界にこの空虚感を感じてる人がどれだけいるのだろう

案外2人に一人は感じてたりするのかもしれない



無性に水に触れたくなり靴のまま触れてみる

靴を通り越し
お気に入りのワインレッドのレギンスをも通過して
ゾクゾクする程冷たい水が入り込んでくる

近くで魚が跳ねる

私も跳ねる


水が
体を
熱を冷やしていく

私の行き場のない熱を小馬鹿にするように溶けて弾けて
消える



なぜこんなに怯えるのだろう

なぜこんなにちっぽけで醜く思えるのだろう




行かないで
触れないで
消えてしまいそうで
消えてしまいそうで

失くしてしまいそうで




水が顔に飛ぶ

大切な人が笑う


消えてしまいそうだと何度思った?

それでも消える事なく世界は時を刻み
私の脳にも記憶というアートが飾られていく





足元はふらつく
水を含んだ靴はとても重い
砂が入ってじゃりじゃりと踏み込む度に感じる



大切な人を大切だと思った

暖かい珈琲を飲もうと
ごめんねと言おうと嬉しくなった
作品名:ごめんね 作家名:yui