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キツネ目をつかまえろ

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残念な報告


 先程までの眠りの中で、夜の川沿いの道を、雪奈という娘と二人で歩いている夢を見ていた。そのさ中に、急にここを訪れた女性に起こされたのだった。それが何と、あのポニーさんだった。不思議な話である。彼女がユッキーさんの姉だということも、純粋な偶然なのだった。
早川はテニスのサークルで、弓浜麗奈と偶然再会したことも想い出した。誰かが云っていた。夢は必ず叶うと思っていれば、やがて現実になると。
「コクトーさん、はい。黒糖梅酒のオンザロック。明日は公休日でしたね」
低いテーブルに氷と濃い琥珀色の液体の入った、大きなグラスが出された。
「そうです。ありがとうございます。ちょうどこれを飲みたいと思っていました。全て不思議です。結城さんもこれが好きなんですか?」
「カラオケボックスに入るとき、コクトーさんが聞いていたでしょう。だから、さっきのコンビニで買ったんです」
 結城はソファーに早川と並んで座った。
「そうでしたか。気を遣って頂いて恐縮です」
「僕、タクシーの乗客じゃないんで、もうちょっとリラックスして話せませんか」
「そうですね。でも、急に変えるのって経験ありません。やれば、役者になったような感覚かも知れませんね」
「そうですね。俳優になったつもりで、チャレンジしてみてください」
「……そう、だな。やって、みようか」