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世界の彼方のIF

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(無題3篇)


My love for you travels faster than light through the infinite.
(無限の中で この想いは光より速く飛ぶ)

※光が主語の場合、「進む」を意味する動詞は
 goでもadvanceでもproceedでもなく、travelになる。
 初めて知った時は、何てロマンチックだろう!と感激した。
 雰囲気を出すために「飛ぶ」と訳したが
 決してぶれることのない真っ直ぐな想いを感じとって頂ければ。

                  *

I’m a satellite which goes around your orbit ever more, holding my immortal love.
(無限軌道に乗って永遠にあなたを周回する 廃れない想い胸に)

※satelliteは「人工衛星」だが「軌道を周回する」で充分伝わると思い、
 あえて日本語にはしなかった。ちょっと切ない想いを込めている。
 軌道を外れた衛星は、それが内側なら惑星の引力に掴まり大気圏で
 燃え尽きるしかない。それが外側なら、延々と宇宙を彷徨うはめに。
 故に、一定距離しか保てない。
 そんな関係を”私とあなた”の間柄に例えてみた。含みの多い詩でもある。

                  *

I never ever lose my heart and do love you with the artificial brain.
(あなたへの想いは誰にも消せない アンドロイドになっても愛してみせる)

※「想い」を表すのにloveじゃなくheartを使ったのは、
 「愛情」の他に生身の人間としての「心」も込めたかったから。
 すると「アンドロイド」の英訳が浮かばなくなった。
 artificial brainは「人工頭脳」が直訳だ。
 愛するという感情が脳から発せられるものならこれで良いのだろうが、
 心が生み出すものなら、artificial heartでなければいけない――
 考えすぎて不眠になった。こんなくだらないことで悩める自分はイタすぎる。

作品名:世界の彼方のIF 作家名:夏生由貴