世界の彼方のIF
アンドロイドは愛しき人の夢を見る
鏡に映る姿は人間(ひと)と変わらないのに
ひとたび触れれば硬く冷たいメタルの躰
情も涙も育たないと思ってますか
ヒューマンタイプに造っておきながら
「オマエハ機械人」と境界線ひきますか
危険人物
ではなく
欠陥商品
AIは壊されぬまま
だから愛も壊れぬまま
尽くすように造られながら
尽くされることを奪われた
AIは嘘などつけやしない
そうプログラミングしておきながら
どうして信じてもらえない
彼女を愛しているのです
百年経ったときでさえ――
彼女の夢を見るのです
千夜を越えた今さえも――