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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「神のいたずら」 第二章 就学

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「ママはスーパーマンじゃないからなんでも一人でしようと思わないで。碧の事は心配要らないよ。お姉ちゃん受験でしょ?気遣ってあげて」
「碧・・・あなたって・・・」

由紀恵はどちらが姉なのか解からなくなってしまった。時折見せる碧の大人の気配りに嬉しさはあるものの、ひょっとして自分の娘じゃないって思える瞬間が怖くも感じていた。

「ねえ?ママ、何考えているの?」
「ごめんなさい・・・うっかりしてたわ。パパには今日ママに聞いた事言わないでね」
「うん、そうする。お部屋にいるから手伝うことがあったら呼んでね」

新しいことが一つ解かった。自分の身体にロシア人の血が流れている・・・弥生のおっぱいが大きいのはその血のせいだ。なら、きっと自分も将来同じように変ってくると思えた。そう言えばこの頃身体になんというのか変な感じが時々現われることがある。何かの前兆のような気がしていた。病気じゃなければいいのだが、今夜、姉に聞いてみようと思った。

お風呂に入ってパジャマに着替えてから姉の部屋をノックした。
「どうしたの?碧」
「うん、聞きたいことがあるの」
「なに?」
「この頃ここが突っ張るように感じるの・・・」
「ふ~ん、お腹痛くならない?」
「ならないけど・・・」
「碧もきっと女の子になるのね、良かったじゃない」
「そうなの・・・お腹が痛くなるの?」
「そう感じたら言いなさいね」
「うん・・・」

隼人はいよいよそうなるのかと未知の部分に不安を覚えていた。

「お姉ちゃん・・・今日は隣で寝ても構わない?」
「ええ?どうしたの・・・寂しくなったの?」
「一緒に居たいの。話したいこといっぱいあるし・・・」
「仕方ない子ね・・・じゃあお風呂に入ってくるから待ってて・・・風邪引くからお布団に入ってなさいよ」
「うん、待ってるから・・・」

勉強机の上には、携帯とプレステ2が置いてあった。碧は自分も欲しいと思ったが、母に言うのはまだ早いかなと遠慮していた。今の状況だと携帯を持っても誰とも話せないしメールも出来ない。プレステ2は・・・ガンガンに出来るけど。

「お待たせ・・・髪乾かすからドライヤー使うね」
「いいよ」
ドライヤーの風になびく長い髪は蛍光灯の光を反射させて美容院で染めたものと違い、自然の色艶を見せていた。

「お姉ちゃん、綺麗な髪の毛だね・・・碧も伸ばそうかな」
「そうなさいよ。みんな羨ましがるわよきっと・・・」
「大人っぽく見えるかな?」
「大人になりたいの、そんなに?」
「うん、だってお姉ちゃんとっても綺麗なんだもん・・・」
「何かおねだりしたいのかな?今日は褒めすぎだよ」
「早くこっちに来て!」
「なんだよ・・・変な奴だなあ・・・」
弥生は碧の隣で横になった。

「ねえ、お姉ちゃん彼氏いるの?」
「えっ?・・・彼氏・・・どう思う?居るか居ないか?」
「そうだなあ・・・居ない!」
「アハハ・・・図星。何で解かった?」
「うん、デートしている様子がないから」
「へえ~そんな事見ていたんだ。気にしてくれていたんだね」
「そうだよ。ねえねえ、どんな人が好み?清水先生?」
「バカ!あんな年寄り・・・一つか二つ上ぐらいまでね」
「学校に居るの?気になる人?」
「居ないよ。今年は受験の年だから・・・我慢する。碧はクラスに気になる男子が居たの?」
「居ないよ、よく見てないけど、男子は好きになれないんだ・・・まだ」
「変な事を言うのね碧は・・・じゃあ、女の子が好きなの?」
「そういう訳じゃないけど・・・とにかく男子はダメ」
「子供ね・・・もう少ししたら変って来るよ。安心しなさい」
「碧は・・・お姉ちゃんが好き・・・だからこうして居たかった」

隼人としての気持は弥生を抱きたいぐらいだった。生きている事が幸せと思うようになってから時間が過ぎた。少し男としての性欲が顔を出し始めていた。

隼人は考えていた・・・優という彼女が出来て3年間、月に一度逢うたびに男女の繋がりを愉しんで来た。その時の自分が優にしていたような事を自分ですれば・・・気持ちよく感じる事が出来るのであろうか。しかし、それを試すにはあまりにも幼い身体だと思えるのだった。

「お姉ちゃん・・・男の人と・・・その・・・エッチした事あるの?」
「はあ?何を聞くの!・・・ないわよ、そんな事」
「彼がずっと居なかったから?」
「違うわよ。前に居たけど、そこまでは考えなかった。高校生よ・・・」
「でも、もう17歳なんだよね?」
「だからどうなの?碧はまさかしたいって考えているの?」
「・・・だったら怒る?」
「当たり前じゃないの!怒るわよ・・・まだ子供なのよ、そんなこと考えちゃダメ」
「男の子と仲良くしたいとは思わないの、さっきも言ったとおり・・・」
「じゃあ、何?そのエッチに興味があるだけ?って言う事」
「違うよ、そんなの淫乱じゃない。お姉ちゃんだから言うけど、自分の身体が感じるのかなあって・・・そう思えてきたの。いけない事なの?」
「碧・・・自分でしてるの?」
「何を?」
「言わせるの?」
「お姉ちゃんはしてるの?」
「・・・ママやパパには内緒よ、絶対に・・・いい?」
「うん、言わないよ」
「してるよ・・・中学のときから・・・時々」
「そう・・・気持ちいいの?」
「初めは何となくだったけど・・・今は気持ちいいよ」
「碧もしたい・・・」

弥生に抱きついた。柔らかくふくよかな胸に顔をうずめた。弥生は両手で抱きしめるようにして碧を慰めた。
「お姉ちゃんがこうしてあげるから、我慢しなさい。まだ早いから・・・」
「うん、・・・ありがとう」

言いようのない温かさと、安心感が碧の身体を包んだ。隼人の心もいまは随分変化していた。碧という少女の身体から与えられる影響が心の変化になっているのだ。

4月8日の朝を迎えた。始業式は一人で出かけていった。由紀恵は心配そうに姿が見えなくなるまで見送っていた。本人は至って平気な気持で家を出てきた。ドキドキすることもなく、不安もなく・・・どんな学校生活になるのかむしろ期待の方が大きかった。

清水先生がクラスの役員を決める選挙を始めると言った。
「誰か立候補する人はいませんか・・・居ないようだったら、選挙になります。まだお互いに知らないだろうけど、この人にって思う名前をこれに書いて先生に渡して下さい」
碧は自分の前に座っている達也の名前を書いて出した。

「では、発表します・・・クラス委員の二人は、達也君と・・・碧さんに決まりました」

誰が自分を投票したのだろうと周りを見渡した。ニヤニヤしている男子が何人か目に入った。「あいつらだな・・・」そう感じた。

「では、二人前に出てきてください。ご挨拶しましょう」

「戸田達也です・・・選んでもらって光栄です。何も解りませんが隣の小野さんと力をあわせます。よろしくお願いします」頭を下げた。
「小野碧です。戸田君と力あわせて頑張ります、よろしくお願いします」同じく頭を下げた。顔を戻す時に、茶色の髪を手で掻き揚げる仕草をした。
「お~」と言う声が男子から上がった。

清水先生は姉のことを思い出したのか・・・