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キジン×ヘンジン×サツジン

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「ほう。そんな話だったのか。いやはや、これで僕を含めて二人目になるね、キミの本質を言い当てたのは。《自問自答(トラブルメイカー)》にしては、珍しいものだね。そういえば、彼女は偶像(アイドル)だそうじゃないか。おそらく、空気というか、雰囲気というか、そういうものに敏感なんだろう。どう考えても、アンバランスな館だったからね。……もし、彼女のことを名づけるとすれば、真実を穿つ寒冷な槍、《氷の視線(アイスピック)》とでもするのかな?」
 僕にそんなことを言われても困る。
 なんといっても、《命名師》なのはキミなのだから。
「おやおや、そんなそっけない態度をしてほしくはないな。僕だって意見がほしいのさ。人という動物は、他者からの評価を得ないと安心できない、臆病で脆弱な生物なのだからね。ところで、今回の事件はキミの愚考の足しになったのかな?」
 それなりにはね。
 ただ、最後の彼女の言葉が痛くてね。
 しばらくはやめるかも知れない。
「おやおやおやおや! 珍妙なことを言うね! まったく、この事件は非常に面白い。いつものようにキミが問題を作り、キミが完膚無きまでに答え、いつもとは違って彼女がそれを引き裂いた。こんな事件はめったに無い。ぜひ記念に名前をつけたいのだが、いい案は無いかい?」
 そうだな……。
 僕は少しだけ思考を動かし、すぐ言葉を発した。
「題名(タイトル)、『キジン×ヘンジン×サツジン』ってところじゃないか?」


 ――了