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どうしたってなにもかもぜんぶ一緒だ

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夜の風は思ったより冷たくて、僕は外に来なければ良かったと頬を赤く染める彼女を見ながら思った。
「鼻が冷えるけど、どうやって鼻を温めたらいいかわからないね」
「マスクをすればいいよ」
「そうだね」
 彼女は会話がしたいようだった。僕はゆうべから睡眠をとりすぎて非常に背中が痛かった。でも彼女は会話がしたいようだった。
「最悪だね、明日はまたやってくるね」
「最悪だね。そうだね」
 僕は相槌を打つ。教科書の中身を覚えても、この世界は広いんだ、だから僕は相槌を打つ。
「明日も一緒に寝ようか」
「やめてくれよ、一緒にしないでおくれ。僕は一人だし、君は一人だから、一緒にはならない」
「一緒だよ、君もわたしも一人だから」
「やめてくれよ、こんな僕は生きる意味がまるでない」
「そうだね、ないよ」
「うるさい、ちょっと黙っててよ」
「会話がしたいんでしょう?だから外にいきたいと君は言った」
「一緒のことを考えていないでよ」
 彼女の爪が僕に触れた。唇からカフェオレの匂いが泳ぐ。この広い銀河の中、一人だけの僕がいいのに。唯一無二だと愛されたいのに。
 見上げた空には教科書で見たことのある配置の星が並んでいて嫌気が差した。