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ゆうかのエッセイ集「みつめて…」

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今朝の通勤途上でのこと。
私はいつもながらギリギリの時間に家を出て、駅への道を急いでいた。
ところが、駅を目前にした狭い四つ角でお婆さんを発見!
何と道の真ん中にしゃがみこみ、まるでそこいら辺に落ちている何かを拾うような素振りをしている。

私は一瞬、何を拾っているんだろう? と、道路を見回したが、何もそれらしい物は落ちてはいない。
傍で数人のおばさん(どう見ても私よりは年上)たちが、そのお婆さんに何やら言っている。
その応答を聞いていると、どう見てもそのお婆さんが痴呆症の徘徊老人であることは明らかだ。

お婆さんを挟んで車が立ち往生している。
私はそのまま駅へ行こうとしたが、誰もそのお婆さんを道の端に動かそうとはしない。
ただ口で避ける(よける)ように言っているだけなんだ。
私は苛立ちを感じて引き返し、そのお婆さんの腕に手を回すと無理矢理立たせ「迷惑になるからね…」と、優しく言いながら、そのお婆さんを道の端まで引っ張って行った。

そしてもちろん駅へとダッシュしたのだが、その後ろでお婆さんが、傍に立っていたおばさんに言うのが聞こえた。
「私はお婆さんじゃないよ!」と……。

可哀想なお婆さん。
傍にいる人たち! 危ないと思うなら、なぜ早く避難させてあげない?! あれじゃまるで、お婆さんを晒し者にしているのも同然じゃあないか! 

もちろん、そのお婆さんの家族の方の管理にも責められるところはあるだろう。
しかし、その人たちの目を盗んで出て来てしまったら、それを発見した人が助けてあげなくてどうする!

悲しいかな私も会社に行かなければならなかったので、最後まで立ち会えなかったが、あのお婆さんはちゃんと家に帰れたのだろうか?
心配だ。−−朝から思いがけないことで苛立ってしまった。