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ゆうかのエッセイ集「みつめて…」

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その人は歩いていた。
駅の階段も登った。
白いNIKEのシューズを履いて。
前だけを見つめて。

私はその人の足元だけをじっと見ていた。
踏んづけるんじゃないだろうか?と心配で。
ちょっと声を掛ければ済むことなのに…。

「靴紐がほどけてますよ。踏んづけたら危ないですよ」と。

なのにその一言が言えない。
見かけによらず気弱な私。

きっと私みたいな人は沢山いるはず。

いつもは私も、前だけを一生懸命見つめて歩いているけど…

≪そうだ! 時には足元も見なくっちゃ!! 私も結構そそっかしいから≫ と、ちょっぴり反省した。朝の通勤中に。

人生もきっと そうなんだろうなぁ…と、ふと思った。