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ゆうかのエッセイ集「みつめて…」

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仕事からの帰り道、駅への道。
冷たいみぞれ交じりの雨が、姿を見せずに降っていた。
寒い1日だった。2月なんだから当然なんだけど…。

いつもの電車にいつもの様に乗ったけど、今日はいつもより乗客が多い。
いつもなら電車と平行に、横長に連らなった席に座るけど、仕方なく補助椅子に座ってみた。

すると見える世界が全く違っていた。

いつもなら、向かい側の人の顔しか見えないのに、此処からはほとんどの人の顔が見渡せた。

俯いて本を読んでいる人、携帯を見つめひたすら指を動かしている人、眠っているのか…目を瞑って動かない人、様々だ。

しかしどの顔も、にこやかに笑ってはいない。
疲れた表情でぼおぅ〜としている。

みんな今日1日頑張って来たんだろうなぁ〜。
そして明日もまた頑張るんだろうなぁ〜。
そうして人生の時が流れて行くんだろうなぁ〜。

長いように見えるけど、過ぎてしまえばあっと言う間の時が…。

宇宙の恒大な時の流れから見れば、ほんの瞬きくらいの時を、それでも一生懸命生きている。その中で苦しい事、辛い事いっぱい抱えて…。

いつもとほんのちょっと違う位置に立って、ちゃんと前を見るだけで、全く別の世界が見えるものなんだと気付いた。


ほらあなたも、ちょっと右を向いてごらん。

そこにはきっと笑っているでしょ、「幸せ」が。
そして、待っているでしょ、あなたが気付くのを。