詩集「負の領域」
漆黒の闇の向こうから
無数かつ 真っ赤な狂気に燃えたつ
おぞましく鋭い眼が狙っている
引き返すことのできない
迷宮の果てで
血に飢えた獰猛な輩に
このまま喰い尽くされて終わるのか
まだこの期に及んで血が騒ぐ
脈々と鼓動を響かせるこの血潮は
まだやり残したことがあると告げている
さあ 来るがよい!
喰えるものなら喰ってみよ
たとえこの肉 この骨までも
喰い千切られ 土と化しても
決して魂まではやらぬ
必ずや迷宮の秘密を我がものとし
いつの日か蘇らん
われ太陽の子として
神の定め全うするまでは
迷宮の闇中にても諦めぬなり
H22.12.11