詩集「負の領域」
さよならの言葉もないまま
これまでの二人の愛を
あなたが終わりにしようとするのなら
それはわたしへの拷問
終わりなき苦しみへと続くのです
わたしの心臓は止めどなく血を流し
流れ出た血は体中を真っ赤に染めて
至るところから悲しみの叫びをあげる
けれどその叫びが
あなたに届くことはないのでしょう
気も狂わんばかりのジレンマに
幾夜ともつかずうなされ
迷いから抜けられないのなら
いっそのこの手で
己の心臓に杭を打ち込みましょう
いつか来るかもしれないと
信じるしかないその時まで
時の流れにたゆとうて
今はこの身を押し流し
死んだように過ごしましょう
ある日
眠れるわたしに口づけをして
新しい息吹が注がれる
そんな未来が許されるなら
それまで静かに眠り続けましょう