或る妄想と云う名の考察
考えてみてくれ。
そいつは本当に少年か?
もしかすると少女か、はたまた中年の男性かもしれない。
そいつは全くの堅気であるかもしれないし、
また裏社会に生きる者かもしれない。
さらにそいつが「人」である証拠もない。
人かもしれないし、獣かもしれない。
いやそもそも生物でないかもしれない。
もしかすると今私の横に立つ妻も
妻ではないのかもしrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
+
と、此処で文書は終わっていた。
何だ、消去防止のシールが念入りに貼ってあるフロッピーなんだ、
もう少しマシなもんを期待してたぜ。
振り返ると妻が立っていた。
はたしてそいつは本当に妻であろうか。
(その少年が結局少年だったのかは誰にも分からない)
作品名:或る妄想と云う名の考察 作家名:アトリ爵